こんにちは、総芸web班です。
2月8日より「2022年度京都市立芸術大学作品展」が京都市京セラ美術館と大学構内にて開催されています。今年度も魅力的な作品がずらり。今回は京都市京セラ美術館に展示されている作品をWeb班メンバーのコメントとともにご紹介させていただきます。
数多くの出展に伴い、ここでは目のついたごくごく一部の作品の紹介となってしまいますが、他にも素敵な作品がたくさんありますので、まだの方はぜひ現地に足を運んでみてください。
<美術科>
【油画専攻】
鴇 一草鳴《ぼうしをかぶる》
一同:「かわいい〜!」
田島:「一つひとつ表情があって、かぶっているものもまた面白いよね」
池上:「どれが一番好きかなって考えるのが楽しくて。側面もかわいいんです」
竹浪:「私は金魚鉢娘?が推しです」
中迫梨恵《lost property》
池上:「2年前か去年の作品展で展示されていた作品を見た時、なんだかムンクと通じるところを感じ、それ以来大好きです(ムンクで卒論書いた人←)。」
田島:「池上さんのおかげでみんなムンクセンサーが反応するよね」
山田実奈《日陰のおしゃべり》
田島:「草描いてるだけなのになぜか引き込まれる。擬人化まではいかないのに人格があるように思える」
竹浪:「名もない草たちに光が注いで、心がなごみますね~」
吉田鷹景《絵画/あるいは完璧な不完全についての-考察》
大城:「うにょうにょしている….目がおかしくなりそう」
池上:「描いている時どうだったんだろう」
北:「この絵から立ち去ろうとして動いた瞬間がいちばんめちゃくちゃ動いていました」
竹浪:「見た瞬間に、三半規管をもっていかれました」
髙田紗衣《garden》
池上:「すごく華やかで繊細で好き….」
北:「テーブルの上に乗っているのも閉じた傘かなと思うけれどハイヒールを履いている。奥でホースも大暴れしています」
石田航士朗《地獄中学大戦争》
北:「アニメーション作品で見たい感じがします」
田島:「独特の世界観が面白い」
吉野あかね《?》
田島:「思わず立ち止まるよね」
池上:「キャプションを見るとこの答えがあるのかと思ったら、《?》という…」
大城:「奥の鏡に何かうつっていそう….可愛いけれど、どこか不穏」
北:「鏡にはしっかり水垢がついていて、生活感があります」
松田紗英《トイレ 洋式 ウォシュレット付》
池上:「キュビズムみを感じる….」
田島:「タイトルが《トイレ 洋式 ウォシュレット付》。言われてみれば」
池上:「確かにトイレに見えてきた…笑」
大城:「すぐには気づかなかったです。立体に騙される」
北:「キャプション見てからもう一回見るとなおさら、半立体になっている方の裏切り方がすごい」
常学智《The model of human consciousness》
池上「《叫び》がいる!」
北「制作過程が見たいですね」
竹浪「人体模型ほどリアルじゃないので、つい見入ってしまいました」
桑原颯希 《包容》《共鳴》
大城:「あたまを包み込んでいる髪がまるで生きもののような動きをしています。題の言葉を思わせるような….今にもヌッと動き出しそう」
【日本画専攻】
尾崎晴 《部屋》
田島:「不思議な世界イメージ」
大城:「日常的なモチーフなのに架空世界を見ているみたいです」
池上:「ちょっとカーテンが空いているの気になる」
安藤梨香 模写 光明寺所蔵《当麻曼荼羅縁起絵巻》下巻第三段 部分
北:「横構図の阿弥陀来迎図ですね。右端の建物のところで貴人が亡くなったので阿弥陀如来一向がお迎えにきている、という場面。掠れている部分がとても綺麗でした」
竹浪:「単に模写というだけじゃなく、絵としてのきれいさがありました。ぜひ実物で感じて欲しい」
小原唯《木星に埋葬する》
北:「個人的に宇宙に対する憧れがあって。木星に埋葬されたら幸せだろうなあ」
濱口佳代《おしゃまの雛遊び》
北:「襖の奥からさるぼうのようなものがはみ出ているのが怖い。お雛様は遊ばれているけれど、置き去りになっているお内裏様の表情がないのもまた。」
竹浪:「これ、見れば見るほど随所に工夫があって、面白かった」
田島:「雛人形っていうのは遊ぶためのものなんだけれど今はしないよね。それをむちゃくちゃしているっていうのが面白い」
さて、こちらは移転コーナー。
過去の作品展図録や崇仁キャンパスの模型などが展示されています。
<工芸科>
【染織専攻】
植村風吾 《sabi》
田島:「そのまま店ができそう」
池上:「展示室の一角がお洒落なお洋服屋さんみたいになってましたね」
田島:「すごい本格的だな。ていうか「1枚くれ」っていう感じだよね」
橋下幸歩《Open!》
大城:「美術館に現れた巨大弁当」
竹浪:「触れるし、卵焼きの中とか、開けて見れて楽しかった」
【漆工専攻】
小野里紗 《春のけはい、みーつけたっ》
田島:「大人気。ずっと人が集っていた。中のライトが少し明る過ぎる気はするけれど木彫りの熊がよくできている」
池上:「くまちゃんのほっぺ可愛い….人気だったので写真撮るタイミングが難しかったです」
竹浪「テントウムシも見つけました!」
佐原真央子《THE DAY OF DAYS》
大城:「使った石鹸、使われた石鹸を集めて観察して作られています。減り具合にそれぞれ個性が」
田島:「重なっている石鹸とか、あるあるだよね」
西:「妙にエッジが効いてるところとか良いな。硬くなった石鹸の感じ」
永田充《Ghost and Membrane》
北「ミクストメディアにフィルムを被せて漆を施していますね。右上にあるのは熊の木彫りでしょうか。」
川崎瞬零《愛着》
北:「作者のゴリラに対する愛着」
竹浪:「漆工の枠を超えた和装のセット!徹底してるっ」
田鎖賢吾《自在脱活乾漆像GABI。改》
北:「”自在”ってついているから多分動くんですよね。何度か見に行ったらたまにポーズ変えてくれてるとかあったらいいな」
竹浪:「これ、写真じゃ伝わりにくいけど、とにかく大きいんで、ぜひ実際にみて欲しいです」
野津果音 手前から《緋雲玉》《兜丸》《錦月》
北:「タイトルの植物がすべて多肉植物。作品だけ見ると有機物の形をスタイリッシュにした感じですけれど、タイトルでこの作品が何者なのかが分かった時に実際こういう形をしているのか…となる」
<デザイン科>
【ビジュアルデザイン】
長谷川侑香 《落とし物図鑑》
池上:「落とし物を記録して、それの持ち主を想像して物語を作っておられるようです。たまに、なんでこんなのここに落ちてるの!?っていう落とし物ありますよね。」
田島:「それで本を作っているんだね。なかなかよく考える。」
野原 萌《表情五十一音図》
北「こじつけ方がすごく力ずくで良い」
大城「苦しそうな表情の文字も…必死に伝えようとしている感じが良いですね」
河合ちひろ《書字甦生》
北:「もう使われていない文字のフォントを作るっていうのが面白いな。自分の干支のフォントはこうなるんだ」
福田陽菜美《Layer-沓掛の記憶-》
北:「沓掛を歩いた動画から映像を作られています。積み上げた原画もレイヤーであり、沓掛に積み上げたものもレイヤーであると。おしゃれ。」
井出龍二《phonoculorum:沓掛》
田島:「今年沓掛キャンパスに関する作品たくさんあったけれどこれが一番気に入った。音声を分析するスペクトグラムは、二次元の濃淡の模様を作り出す。それを逆に利用。沓掛のモノクロ写真を音声分析の模様として読み取り、音に変換してレコードを制作。その音声をまたリアルタイムで写真の描画に」
<総合芸術学・芸術学専攻>
最後に総合芸術学専攻を紹介。
美術館では4回生、修士2回生の研究内容の展示が行われています。関連資料も力作揃い。3分でわかる(?!)研究紹介もお見逃しなく〜!
ほんの一部ですが、京セラ美術館での作品をご紹介していきました。
ここでは紹介しきれなかった素敵な作品もまだまだ沢山ありますので、ぜひこの機会をお見逃しなく。2022年度作品展〜学内展〜のレビューも併せてお楽しみください。
京都市立芸術大学 作品展2022
会期|2023年2月8日(水)~2月12日(日)
会場|京都市立芸術大学、京都市京セラ美術館
時間|10:00~18:00(入場は17:30まで)
入場無料
▶特設サイト https://kcua-sakuhinten.com/