―出品作品「緑の南丹、亀岡盆地」について
京都の北部、園部とか南丹市の方から亀岡盆地を経て、京都市の京都盆地を見ているという設定なんです。全体を描いてるんです。あちこちの山の高い所からスケッチをして、それを合成してランドスケープに。
京都府の方からうちに来られる前に、亀岡市に打診されて。是非亀岡の作家には地元を描いて頂きたいということで。それで地元の中で選んで、もういっそ、全部描いてやろうと思って。
やっぱり自然がすごく綺麗なんですよ、亀岡。自然のこう、深さみたいなものを描きたくて。日本画の材料で緑青というのがありますから、それを多用して。あと、光の美しさとか、そういうので金を使ったりしたんです。
制作は、スケッチとかは2011年の夏からずっと。2012年の年明けに制作完了ということだったんで。
―「こころの京都百選」について
「こころの」っていうふうになってるんですけども、「こころ」って言う言葉ですかね、それはすごく難しいんですよ。捉え方が。 「こころ」っていうものをどう捉えるか、個人によってもの凄く違うと思うんですよね。
「こころ」って一体何なのかな、っていう根本的なものが追及したいテーマで。その「こころ」っていうものを、造形としてどういうふうに表すことが出来るのか、とか、そういう問題になってきますよね。
―日本画を選んだ理由
色んな画材があるんで、何でも良いんです、画材としては。ただ、大学に入って日本画をたまたま選んで、そうすると、なかなか威力のある材料があるんですよ、日本画には。金属を絵の具に使ったり、それから無色透明の水を、すごい比重の重い顔料と混ぜたりね。そういう、なかなか他の分野にはない威力のある材料があるんです。
僕の場合、それを多用して使ってるんで、「何故、日本画」というよりも、日本の絵画の伝統的なものの中には、なかなか均一化出来ない個性的な材料があるんです。それを選んで使ってるんです。
古い材料しか使わない。すごい威力のある。鉱物を買って来て砕いて、自分で作って使ったりします。
―日本画への思い
僕は古典絵画、古典技法を、現代に蘇生させてるつもりなんですよね。
唯一、日本に残ってるそういう技術っていうのは、沢山あると思うんです。それがなかなか、写真や他の現代の情報化した社会の中でね、有効に生かされない。でも残していかないといけないんですよ。そういった残すべきものはやっぱり発見して、今に繋げていきたい。そこに自分の気持ちとか、創作するエネルギーを注入できたらなと思ってるんで。
思いっきり古いところのを蘇生させたい。そこに、新たな創造があるというふうに見てるんで。